助産師しおんです。
妊娠が確定し、出産予定日が決まると、
地域の保健センターで母子健康手帳を発行してもらいます。
母子健康手帳(以下母子手帳と書きます)は、
各自治体独自の妊娠・出産・育児のサービスや情報があり、
活用するととてもお得です。
交付が妊娠初期で、つわりの時期と重なって いろいろもらったけど
体がきつくて見ていないという方は ぜひ中身を見直してみてください。
自治体によっては優先スペースに駐車できる証明を発行されたり、
妊産婦や新生児の家庭訪問など住民サービスがありますよ。
また母子手帳は、子供の小学校に上がる前までの
継続した成長と健康の記録帳でもあります。
妊婦健診の経過や出産・産後の様子・赤ちゃんの成長・
乳児健診の結果・予防接種など医療者が書き込む健康の記録のほか、
妊娠中の気持ちや出来事、各年齢での出来事をかくスペースがあります。
健康の大切な記録ですので外出時も携帯すると、
万が一急病や事故で病院に運ばれたときに症状の判断が行いやすくなります。
特に最近は、妊娠中に母親が書くスペースが増え、
個人的にはいいなぁと感じました。
助産師しおんが初めてお産した10年前は、
妊娠中の気持ちを書くスペースが少なく、
小さい文字で枠からはみ出して書いたものです。
さらに妊娠中に撮ったプリクラも貼ったり、
夫にもコメントをお願いしたりして、
子供が大きくなってから同じように楽しい気持ちで
これを見てくれたらとワクワクしたものです。
ぜひ、妊娠中のうれしかったこと、大変だったけど乗り越えたことなど、
大きくなった子供に語りかけるように、言葉に残してください。
妊婦さんの感性は繊細で素敵なメッセージになると思います。
いずれ、この記録が小学生になってからの命の授業に役立ったり、
思春期になって親と言葉を交わすことが少なくなった時に、
自分は大切にされていたのだという事実をつたえる
手助けになるのではないでしょうか。
また、お母さん自身も育児で心が折れそうになる時に見ることで
励まされ気持ちが前向きになるきっかけをくれると思います。
ちなみに、我が家には助産師詩音と夫の母子手帳が二冊あります。
それぞれの母から「あんたのものだよ」と結婚の時にもらいました。
素敵なプレゼントですよね。
私もへその緒と手作りのベビードレスとともに、
成長した娘に手渡そうと今から計画しています。 ワクワク。
そしてこの母子手帳、実はお母さんのものではなく、子供のものなのです。
だから、双子ちゃんなら一人の妊婦さんに二冊発行されます。
字が書けない子供のために、代わりにお母さんが記録しているといっても
言い過ぎではないと感じます。 日常の仕事で多くの母子手帳を拝見したとき、
このスペースが白紙の方も多いのでびっくりしますし、
助産師としては寂しいしもったいないと感じてしまします。
妊婦健診の順番を待っている間を活用して、
母子手帳の項目を記入する時間にしてみてはいかがでしょうか。
スマホで時間つぶしするより、 未来につながる有効な時間が使えると思います。
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